中小企業診断士試験の申込者数はここ数年間は2万人前後で安定しています。
中小企業診断士試験一次試験の申込者数の推移
グラフの左端に目を移すと平成13年(2001年)の申込者数は現在の半分の1万人だったわけです。
そこからの8年間で申込者数は倍の2万人を超えました。(平成21年・2009年)
まさにウナギ上りと言ってもいいような増え方をしたわけです。
この理由は色々言われますが、試験制度の改革が大きく影響したようです。
申込者数が増加傾向に転じた平成13年(2001年)は試験制度が大きく変わった年です。
平成11年(1999年)の中小企業支援法の新設によって中小企業診断士が経営コンサルタントとしての能力を認定する国家資格として再定義されました。
元々、中小企業診断士は国や自治体が行う診断業務を担当する者としての資格だったのですが、そのカリキュラムの内容から経営コンサルタントの国家資格と言われ続けて受験者数を伸ばして来ました。
それが法律に明示されたわけです。
これを受けて、経営コンサルタントとしての資格に必要な知識やスキルが見直され、試験制度の改革へとつながったわけです。
改正では科目の統廃合が行われ、経済学や経営法務などの科目が新たに加えられました。
一次試験は記述式からマークシート式に変わり、科目合格制が取り入れられました。
2次試験では口述試験が追加されました。
さらにそれから5年後の平成18年(2006年)に、配点や試験時間、および試験科目やカリキュラムの微調整が行われて現在に至ります。
ただ、試験制度が変わったから申込者が増えたというのは少しムリがあるように思えます。
確かに科目合格制は受験のハードルを下げたと言ってもいいかもしれません。
でも、それにしたって2年の期限があるわけですし、全体の学習量が軽減したということではありません。
申込者数が倍増したのは、プロモーションの効果だと思われます。
中小企業診断士が国が認定する経営コンサルタントであることを当局が積極的にアナウンスし、それを様々なメディアが取り上げて、認知度が上がった。
いわゆるパブリシティ(*)が功を奏したわけです。
(*)パブリシティ: ニュースとしてメディアが取り上げて拡散する。