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常識で解ける中小企業診断士一次試験:中小企業経営・中小企業政策。世の中を知っていれば得点できる

中小企業経営・中小企業政策は暗記色の強い科目です。
それはそうなんですが、常識と推論で正解できる設問もあります。

自分が白書でチェックしていた統計資料と本試験の設問がすべて一致しているなんてことはあり得ません。

チェックしていない統計資料が聞かれても、自分の持てる知識を総動員して得点に結びつけてください。

以下はそういう設問です。
考えてみてください。

 

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

生産年齢人口の減少や高齢化が進展する中、わが国経済の潜在的労働力として女性に注目が集まっており、女性が活躍できる環境づくりの必要性が高まっている。
総務省「平成24年就業構造基本調査」に基づき、男女別・年齢別就業率を見た場合、女性の就業率の特徴としてM字カーブの存在が指摘され、その解消が女性の活躍を促進する際の一つの目標とされている。

(設問1)
文中の下線部に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 20代前半の女性就業率が男性就業率に比べ低いこと。

イ 20代後半から30代にかけての女性就業率が低下すること。

ウ 30代後半から40代にかけての女性就業率が低下すること。

エ 40代後半から50代にかけての女性就業率が低下すること。

オ 50代前半の女性就業率が男性就業率に比べ低いこと。

 

答え  (白字なので反転させてください)

 

正解できましたか?

まず、アとオは、すぐに選択肢からハズレます。
だってM字の説明になっていません。

これで、5択が3択に絞ることができました。

あとはM字になる意味を考えればいいんですが、この理由については誰でも分かるハズです。
結婚、とりわけ出産と育児のために就業率が落ちるわけです。

で、その出産と育児に相当する年令帯を3つから選べばいいだけなんですが、さすがにエを選ぶ人はいないでしょう。

さあ、無勉強で5択が2択まで絞れました。

20代後半から30代か?、30代後半から40代か?
晩婚化著しい昨今、エを選んでしまった人もいるかもしれませんね。
ちょっとそれは時代を読みすぎです。

頭に入れて置かないといけないことは、設問の情報は2,3年は遅れているということです。

設問のネタ使われる中小企業白書は前年度のものです。
さらに、その白書に載っている図表はその前年や前々年度に行われた調査を集計、統計処理したものです。

今現在の感覚で答えると間違ってしまうこともありますので注意してください。

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中小企業診断士一次試験科目別攻略法:財務・会計。得意科目にすれば一粒で2度美味しいお得科目

財務・会計は得意、不得意がはっきり分かれる科目です。

習得するためにはじっくりと取り組む必要がありますが、こうした、いわゆる理解系(対比語として暗記系)の科目は一旦モノにしてしまえば安定的な成績が望めます。

一次試験の財務・会計は試験時間が60分ですが、企業経営理論や運営管理(いずれも試験時間90分)と同様に、2次試験でもその見識が問われる科目です。

さらに財務・会計の一次と2次の関連の度合いは強く、ほぼ一対一で対応しています。

他の科目はというと、一次と2次に関連はあっても、一対一で対応しているわけではありません。
2次試験の一つの事例科目には企業経営理論や運営管理、あるいは情報システムの論点が混在しているわけです。

ところが、この財務・会計だけは特別です。
関係する2次科目は、
事例Ⅳ「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」。

この事例科目はほぼ財務・会計だけの見識を問うもので、言うなれば、一次試験から多肢選択を無くしたものと思ってください。

すなわち一次対策がそのまま2次対策となります。
2次試験に特化した対策は、過去問に当たる以外、特に必要ではありません。

一粒で2度おいしいという意味が分かって頂けたかと思います。
財務・会計を得意科目とすることで、合格を大きく引き寄せることができるわけです。

 

財務・会計を得意科目とするために絶対お勧めする導入としての簿記の習得

 

あなたが財務・会計を得意科目にすると決めたなら、お勧めしたいのは、簿記の習得です。
日商簿記3級、出来れば2級ぐらいを身につけてから学習すると、理解度が全く違います。

さすがに試験では仕分けが聞かれることはありませんが、簿記3級の決算処理、減価償却などは試験で扱われる論点ですし、簿記2級で扱う工業簿記は原価計算の導入部分として優れています。

簿記と関係する財務諸表は試験範囲の一部でしかないので(*)、そこまでする必要はないと思うかもしれませんが、2次試験では一転、財務諸表の重要性が高まります。

(*):試験範囲にはファイナンスも含まれていて、これは簿記とは直接関係ない。
必ずしも簿記資格を取る必要はありません。
中小企業診断士の学習に入る前に、薄めのものでいいので、日商簿記3,2級のドリルを一冊づつこなしてください。
ここは急がば廻れ。
この一ヶ月、ないしは2ヶ月は、必ず何倍にも返ってきます。

 

財務・会計は中小企業診断士の武器

中小企業診断士の役割は簿記の結果として出来た財務諸表を分析することであるのはその通りです。
でも、そこに至る手続きとしての簿記を知っているか、知らないかは大きな差です。

実務の話をすれば、財務・会計の知識に裏付けされた数値感覚は中小企業診断士にとって必須であると同時に武器です。

たとえば中小企業経営・中小企業政策の知識はあやふやでも、その都度調べれば済む話です。
でも、財務・会計ははそうはいきません。
財務、会計の裏付けのない改善提案は絵に描いた餅です。

財務諸表には言葉よりも確かな経営者の意志が表れます。
財務・会計が身につくとビジネスパーソンとして一段ステップアップした実感が持てると思います。

 

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