科目の目的
企業経営において、資金面以外の経営に関する基本的な理論を習得することは、経営に関する現状分析及び問題解決、新たな事業への展開等に関する助言を行うにあたり、必要不可欠な知識である。また、近年、技術と経営の双方を理解し、高い技術力を経済的価値に転換する技術経営(MOT)の重要性が高まっており、こうした知識についても十分な理解が必要である。このため、経営戦略論、組織論、マーケティング論といった企業経営に関する知識について、以下の内容を中心に判定する。
1. 経営戦略論
(1) 経営計画と経営管理
- マネジメント・サイクル
- 期間別経営計画
- 意思決定の階層構造
- 経営管理の原則
- 意思決定プロセス
(2) 企業戦略
- 外部環境分析・内部環境分析
- 事業領域(ドメイン)の決定
- 階層別戦略(事業戦略、機能戦略)
- 戦略立案プロセス
- 組織と戦略(事業部制、カンパニー制、持株会社等)
- 組織文化と戦略
(3) 成長戦略
- 成長のマネジメント
- 多角化(シナジー、多角化戦略の分類)
- M&A
- 戦略的提携
(4) 経営資源戦略
- 経営資源
- PPM(SBU、製品ライフサイクル、経験曲線、市場占有率 等)
(5) 競争戦略
- 業界の競争構造
- 競争回避の戦略
- 競争優位の戦略(コストリーダーシップ、差別化、集中)
- 競争地位別戦略(チャレンジャー、リーダー、フォロワー、ニッチャー)
- デファクト・スタンダード
- コア・コンピタンス
(6) 技術経営(MOT)
- 技術戦略
- 技術戦略の策定
- 技術の特徴把握・評価、
- 自社資源の評価、
- 外部資源の活用(共同開発、技術導入、等)
- 特許戦略
- 技術戦略の策定
- 研究開発管理
- 研究開発組織(組織形態、管理者の役割、技術者の人事管理と能力開発)
- 研究開発計画と開発プロセス
- 予算管理と特許管理
- イノベーションのマネジメント
- 知識経営(ナレッジ・マネジメント)
(7) 国際経営(グローバル戦略)
(8) 企業の社会的責任(CSR)
(9) その他の経営戦略論に関する事項
2. 組織論
(1) 経営組織の形態と構造
- 組織形態(職能制組織、機能別組織、事業部制組織、マトリックス組織)
- 組織の構成原理(コミュニケーション、命令の一元性、分業・専門化と調整
- 権限と責任
(2) 経営組織の運営
- 意思決定システム
- モチベーション(マズローの欲求段階説、ハーズバーグの2要因理論、ヴルームの期待理論)
- モチベーション管理
- モラール管理
- リーダーシップ(特性理論、行動理論、二次元論、状況理論)
経営者・管理者行動 - 組織と文化(経営理念、組織風土と組織文化)
- 組織活性化(一体化度、無関心度、組織開発、小集団活動、ナレッジ・マネジメント/組織学習)
- 組織間関係
- 組織関関係の類型
- 分析モデル(資源依存、組織正当性、エージェンシー、組織エコロジー)
- ネットワーク組織
- クラスター
- 企業統治(コーポレイト・ガバナンス)
- 組織パワーとポリティクス
- 組織変革(チェンジ・マネジメント)
(3) 人的資源管理
- 労働関連法規(労働基準法、労働組合法、労働安全衛生法、労働
- 保険、社会保険、労働者派遣法)
- 人事・労務情報(職務分析と意義と方法、人事考課の意義と方法)
- 雇用管理(採用、配置、人事異動・昇進、資格制度)
- 能力開発(
- 教育訓練・能力開発の種類(階層・目的)
- 能力開発の方法(OJT、OFF-JT、自己啓発)
- 組織開発の意義と方法
- 賃金管理(賃金体系、基本給類型の体系、職務評価方法)
- 作業条件管理(労働時間管理、労働安全管理、労働衛生管理)
- 経営戦略と人的資源管理の適合性
(4) その他組織論に関する事項
3. マーケティング論
(1) マーケティングの基礎概念
- マーケティングの定義
- マーケティング・コンセプト
- マーケティングの機能
- ソーシャルマーケティング
(2) マーケティング計画と市場調査
- マーケティング目標設定(目標売上高、目標利益、市場占有率)
- 標的市場の設定と接近(市場の分類、総合的市場接近法、市場細分化接近法)
- マーケティング・ミックス(製品ライフサイクル、マーケティング目標と戦略、マーケティング・ミックスの展開)
- 市場調査の意義と方法(市場調査の目的、対象領域、種類、プロセス)
(3) 消費者行動
- 消費者行動の決定要素とプロセス(基本的決定要素と環境的決定要素、消費者行動のモデル)
- 心理的決定要素(ニーズ、動機付け、態度、学習、パーソナリティ)
- 社会的決定要素(家庭、準拠集団、社会階層、文化)
- 意思決定(評価基準、ブランド選定の規則)
(4) 製品計画
- 製品の意義
- 製品の定義
- 製品の種類:
- 消費者用品(最寄り品、買い回り品、専門品)
- 産業用品(原材料、主要設備品、補助設備品、構成部品、加工材料、業務用消耗品、業務サービス
- プロダクト・ミックス(定義、プロダクト・ラインの幅と深さ)
- ブランド計画(ブランドの利点、種類、ブランド・ネーム、マルチブランド、ブランド・ポジション)
- パッケージング計画(意義、目的、開発)
(5) 製品開発
- 市場性評価(市場動向分析、競合分析)
- マーチャンダイジング
- 製品企画・仕様・デザイン
- 製品技術・製造コスト
- テストマーケティング
- 製造計画
- 商業化(市場化)計画
(6) 価格計画
- 価格計画の目的と設定要因(価格目的、価格決定の検討要因、価格決定プロセス)
- 価格政策(開拓的価格政策、心理的価格政策、販売促進的価格政策)
- 価格決定(費用志向的価格決定、競争志向的価格決定、小売価格の決定、製造業における価格調整)
(7) 流通チャネルと物流
- 流通チャネルの機能と種類(チャネルの目的、機能、チャネル統合、チャネルの種類)
- 流通チャネル政策(開放的流通チャネル、選択的流通チャネル、専属的流通チャネル、流通チャネルの評価と管理)
- 物流(受注処理、物資の取扱い、保管、在庫管理、輸送、サプライチェ―ン・マネジメント)
(8) プロモーション
- プロモーション政策(プロモーション・ミックス、プッシュ政策、プル政策、プロモーション戦略と製品ライフサイクル)
- 人的販売(役割、販売員の種類、進め方、販売員管理)
- 広告(広告の定義、種類、広告計画、媒体計画、広告表現)
- 販売促進(
- 目的
- 種類
- 消費者向け: サンプリング・プレミアム・クーポン・教育・コンテスト・スタンプ
- 流通業向け: ディーラーコンテスト・ヘルプス・販売助成・報奨金・プレミアム・特別出荷
- 社内向け: 実施プログラム、関係法規:景品表示法 等
- PR(内容、必要性、使用媒体、方法、パブリシティ)
(9) 応用マーケティング
- 関係性マーケティング
- 顧客関係性管理(CRM)
- サービス・マーケティング
- ダイレクト・マーケティング