中小企業診断士2次試験の合格率はおよそ2割です。
1次試験と同じ合格率ですが、その意味するところは大きく違います。
一次試験の合格率は受験生の母集団の特性から、数値よりも高いことを説明しました。
「5千人が棄権!中小企業診断士一次試験の合格率の正しい見方」
でも、中小企業診断士2次試験の場合は、公表されている合格率の額面通りに受け取ってもらって結構です。
中小企業診断士2次試験は紛れもなく5人に一人しか合格できない試験だということです。
中小企業診断士2次試験に関する公式発表の数値を見てみましょう。
なお、2次試験は筆記と口述(面接)とに分かれていて、筆記の合格者だけが口述に進みます。
口述試験の合格率は99%超~100%ですから、事実上、筆記試験が、合格の最終関門と言えます。
中小企業診断士2次試験の受験者・合格者・合格率
年 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 合計 |
申込者数(人) | - | - | - | - | 5,130 | - |
受験者数(人) | 4,003 | 4,878 | 4,907 | 4,885 | 4,941 | 23,614 |
合格者数(人) | 790 | 1,220 | 910 | 1,185 | 944 | 5,049 |
合格率(%) | 19.7 | 25.0 | 18.5 | 24.3 | 19.1 | 21.4 |
合格率が年によってバラつくのは一次試験と同様。
合格人数枠が決められた競争試験ではなく、所定の点数をマークすれば合格できるからだと言えます。
合格率が変動するのは、年によって試験問題の難易度に差があるからというのも一次試験と同じ。
さて、一次試験との違いはここから。
受験率(受験者数÷申込者数)を見てみます。
2015年の中小企業診断士2次試験の受験率は96%。
同じ年の1次試験の受験率が72%ですから、その差は歴然です。
棄権する受験生がいないということは棄権予備軍(*)もいないということです。
(*)棄権予備軍:
合格する可能性のない受験生。
棄権しても良さそうだが、申し込んだ手前、受験する人たち。
それもそのはず、中小企業診断士2次試験は1次試験の合格者に新たな知識を問う試験ではないからです。
机上診断、机上コンサルとも言える2次試験は1次の知識を事例に適用させる能力を見る試験です。
さすがに無勉強では合格できませんが、1次試験の合格者であれば誰でも合格可能性が生まれます。
1次の合格発表から取り組んだとしても一月以上あるわけで、センスの良い受験生であれば、この間に2次試験の回答要領を身に着けるのは不可能ではありません。
多少準備不足であっても、一年間を棒に振ることを考えれば、必死で滑り込もうとします。
中小企業診断士2次試験は、全員が合格可能性に賭けて臨む試験なのです。
その中で5人に一人の合格者。
合格率20%はそのまま受け取ってください。