中小企業診断士はいくらの年収を稼いでいるのか?
中小企業診断士の取得を検討されている方にとって当然興味のあることでしょう。
以下の表は独立している中小企業診断士の年収に関するアンケートの結果です。
年間収入 | 構成比(%) | 累計の構成比(%) |
3,001万円以上 | 4.3 | 4.3 |
2,501~3,000万円 | 2.2 | 6.5 |
2,001~2,500万円 | 3.6 | 10.1 |
1,501~2,000万円 | 9.1 | 19.2 |
1,001~1,500万円 | 18.8 | 38.0 |
801~1,000万円 | 14.9 | 52.9 |
501~ 800万円 | 19.9 | 72.8 |
401~ 500万円 | 10.0 | 82.8 |
301~ 400万円 | 8.3 | 91.1 |
300万円以内 | 8.9 | 100.0 |
出典: 社団法人 中小企業診断士協会 「データで見る中小企業診断士 2016年版」
一番右の累計の構成比をみると、2人に一人が年収800万円以上。
さらに、4割の中小企業診断士が一千万以上です。
国税庁による「平成 26 年分民間給与実態統計調査」が示す40代の年収が450万円ですから、中小企業診断士は稼げる資格であると言って良いのではないでしょうか。
また、400万円以上が8割を超えていますから、普通にやりさえすれば「食える」レベルになるのは難しくないと言えるでしょう。
一般のサラリーマンの5%と言われる1千万以上のクラスが4割もいるというのは魅力です。
少し頑張れば達成できるイメージです。
さらに全体の1割に当たる人が2千万円以上を稼いでいます。
サラリーマンで年収2千万以上は全体の1%もいませんから、中小企業診断士という資格が、稼ぐ上で大きなアドバンテージになっているのは間違いありません。
表にある年収は売上ベースで、ここから経費が引かれるわけですが、中小企業診断士の仕事には仕入れという概念がありません。
年収≒可処分所得
なわけです。
その一方で、年収が1千万以上の中小企業診断士の大半が法人化していますから、かなりの範囲を経費扱いしながら、同時に給与所得控除も得ているハズです。
サラリーマンと比べて、税金面でも大きな恩恵を受けて手取りを得ているわけです。
なお、300万円以下のクラスというのは定年後に独立された方ですとか、それ以上の年代の方がこのゾーンに多いようです。
稼ぐことよりも、社会貢献とか、自己実現を目的に公共診断などを中心に活動される方々です。
中小企業診断士の仲間内では、「年金診断士」とかいう毒気を含んだ言い方もあるのですが、文字通り年金を得ながら働いているような方々を指します。
弁護士なども年収に関する調査を行っていて、ちょっと比べてみたのですが、上の表は弁護士と比較してもさほど遜色ありません。
(さすがに年収5千万クラスになると差が見られますが)
質問の形式や区分けのし方が違いますので単純な比較はできないのですが、特に年収800万円~1500万円クラスのボリュームゾーンの占める割合は同程度となっています。
誰もが想像することですが、資格の難易度と収入には相関が見られます。
取得が難しい資格ほど収入も高くなるわけです。
傾向としてはその通りですが、弁護士との比較から、中小企業診断士は難易度に比してリターンが大きい資格と言えます。
これは中小企業診断士の業務が大きく関係しています。
医者とか弁護士とかなら、質素でも庶民派として崇高なイメージも持たれるのですが、中小企業診断士、ないし経営コンサルタントというのはそうはいきません。
クライアントの利益アップに貢献するのが仕事だからです。
稼げない中小企業診断士というのは自分自身の経営コンサルタントすら出来ないということにもなって恰好が付かないわけです。
中小企業診断士は他の士業に比べて、稼ぐということに対して意識が高いと言えるのかもしれません。