上級審に行くほど法定闘争はロジックがものを言うらしいのですが、それはあくまで専門家の領域。
中小企業診断士一次試験の経営法務で問われることの大半はロジックではなく、知っているか知らないか。
盗んじゃいけないとか、騙しちゃいけないとか、道徳だけで正解できるような設問もさすがにありません。
例えば、今どきインターネットから無断で画像を拝借してはいけないことくらいは誰でも知っています。
じゃ、無許可のものとは知らずに購入して使用していていたらどうなるのか?
こういう設問は、ロジックでも、道徳でも太刀打ちできません。
そこはやはり勉強していないと正解出来ないようになっているわけです。
ただ、標準的なビジネスマン、ビジネスウーマンが持つべき常識というふうに、常識のハードルを上げると、経営法務にも常識だけで正解できる問題は出てきます。
以下の設問はそういう類。
試しに考えてみてください。
【問題】
業績が悪化した会社の再建のため、債権者がその債権を債務会社の株式に振り替えることがある。このような、会社に対する金銭債権を現物出資し株式を発行する手法を指す名称(略称)として最も適切なものはどれか。
ア ADR(Alternative Dispute Resolution)
イ DDS(Debt Debt Swap)
ウ DES(Debt Equity Swap)
エ DIP(Debtor In Possession)
答え ウ (白字なので反転させてください)
これ、英語の試験でしょうか?(笑)
ていうか、英語の試験ですらないかもしれません。
Debt(債務) はともかく、Equity(株、エクイティ) 、Swap(交換、スワップ)ともにビジネス用語として定着していて、その2つさえ知っていれば、正解できるからです。
ご親切に設問分に答えが書いてあります。
「債権者がその債権(Debt)を債務会社の株式(Equity)に振り替える(Swap)」